物事は、自分の視点で、立体的に見たいというお話。
避けられないことであれば、良い部分を見つける
仕事をしていていると、こういう話になることが多いです。
「インボイス制度、確認が増えて大変になる」
「電子取引をデータ保存なんて、手間がかかるなあ」
どちらも制度としては既に始まって数か月経っていますが、
導入以後はじめて迎える決算という法人も多いので、こういった
話は出てきます。最近では、定額減税でしょうか。
事務所内でも、顧問先の経理担当者の方からも、
上記の制度は事務負担が増えるためネガティブな意見が多いです。
制度そのものに対する賛成・反対のスタンスはさておき、
いまのところ制度は廃止になってはいないので(インボイスで細々と
変更点はありますが)、大変なので無視していいですよ、とはいかず、
お互いに対応が必要となります。
税理士事務所側がお客様と一緒に
「大変ですよね、なんでこんな制度が……(ため息)」
と言っていても始まりません。
むしろ、ネガティブを少しでも軽くする方向に持っていくのが役割かと
思います。避けられないことであれば、良い部分を見つける。
共感だけではなく、別視点を持つ
お客様と話をしていて、相手の立場に立って考えることは大切です。
しかし、せっかくサービスを提供するのであれば、
別視点を見つけてお伝えすることもしたいところです。
相手にとってネガティブなことであれば、ポジティブに。
新しい制度に対応しなければならない、ということは
その制度を機に経理システムを改善・進化させる機会にできる
可能性があります。
日々の経理をためずにチェックして共有するシステムを作る。
会計ソフトの機能をあまり活用していなかった方には、消費税区分を
してもらって決算がスムーズになるよに提案。
給与計算を手計算でしていた方は、給与計算ソフトやエクセルで管理
するようにして今までより正確に効率的に。など。
制度が変わらないと、やり方も今まで通りでいいか、となりがちです。
多少効率が悪くても、慣れたやり方の方がいいかなと。
そこで禍を転じて福と為すではないけれど、制度が変わることで、
慣れたやり方から変わるきっかけになることもあります。
「こういうやり方で対応をしたら、こんなメリットがあります」
とポジティブな側面を伝えたいです。
制度が変わってただ事務負担が増えるわけではなく、
別の視点から見たらお客様のプラスにもできますよ、と。
もちろん、相手によって何を受け入れるか入れないかは違いますので、
ベストな提案はひとつではありません。
改善をまったく望まない方に、押し付けても意味はありません。
思い切ってシステムを変えることが良い場合もあれば、
やることを最小に絞って「これだけやれば大丈夫です」が最適解のことも
あります。
これは本当に自分の視点か?と疑う
属するグループの雰囲気、世間の風潮。
「これが多数派の意見」と入ってくる情報。
これらがそのまま「自分の視点」となってしまわないように、
疑うようにしています。
意識して制限しなければ、情報が早く大量に入ってくるだけに、
情報を整理・処理して自分の見解に持っていくのが追いつかず、
入ってきた情報=見解になってしまうこともあります。
スピードも大事ですが、一呼吸おいてきちんと自分の見解へ処理する
時間をとりたいです。
ネガティブな物事に対しポジティブな視点を持つことはもちろん、
ポジティブな面が大きく取り上げられていることでも、
「この部分は自分にとって(一定のお客様にとって)はデメリットになる」
というものを見逃さないようにしたいです。
ちょっと立ち位置を変えてみることで、
「じゃない方の視点」が見つかることもあります。
天邪鬼になる必要はないけれど、物事は
・自分の目で
・立体的に
見ていきたいです。
【編集後記】
雨の一日。
集中して決算を1件進めました。
合間に読みたかった小説で気分転換。