井の中から自分の海に出ていく

誰のために仕事をするか  井の中から大海へ 仕事と私
公園でぼーっとしつつ、自分の海に思いをはせた昼休み。

井の中の私は、どのように大海に出ていくのか。
公園でぼーっとしながら、そんなことを考えていました。

税務という井戸の中

税理士は税金・税務の専門家。
税金、とひとことで言っても範囲は広いです。

法人の税金と個人の税金。
国税と地方税。
細かい税目でいったらさらに細分化されます。
その全てに精通した真の税専門家になることは、難しいです。
少なくとも、この世界のありとあらゆる税金のことについて、
どんな角度でもどんな深さで答えます!と言える人はいない(と思う)。

税理士試験も、税法はたったの3科目しか選べません。
私は5科目とってから実務に入る、という順番でした。
仕事を始めて、受験で学ばなかった事業税にてこずったり、
所得税を選択していなかったから、初めての個人確定申告の時期には、
勉強と実務を同時並行で進めていたり……税理士あるあるだと思いますが、
受験勉強より必死に新しい勉強をしました。

そうしていると、税金の世界の広さにばかり目が行って、
気付けば税金という井戸の中に入ってしまったなと思います。

酸素が足りない?

税金、税務のことをもっと学ばないと。
自分の知識では、税理士と名乗るのは足りなすぎる。
そんな気持ちになり、ますます税金のことばかりになってしまいます。
はじめに書いたように税金のことを知り尽くすのは無理だから、
一生かけても「これで税金を学びきった」となることはないです。

これは私の個人的な思いにすぎないのですが、
そういう仕事の仕方をしていると、
酸素が薄くなってくるような感覚がします。

もちろん、日々変わり続ける税制を学ぶことを怠ってはいけませんが、
当然ながら税金の知識は手段にすぎません。
その手段だけをひたすら積み上げても、着地点も目的もわからないまま
砂漠で水をやっているような、誰のために何をどこまで追うのか、という
気持ちになってきます。

だから、税理士=税金を扱う職業人として、井戸から出て海に出る必要が
あるなと今更ながら思ったわけです。
海といっても、これまた”いくつもの海”があるので、私の海を見つけないと
なりません。税務の知識や経験を推進力として、私はどの海で泳ぐんだ?
そういう問いかけを自分にしています。

人気(にんき/ひとけ)のない海でも自分の海ならよい

いまは、どんな税理士がどんな海で活躍しているのか?
と色々な情報から学んだり、本を読んだり、会いに行ったり(セミナー等)
をしています。

自分の海というと、相続税に特化、個人事業主に特化、ということではなく、
「どんな人に」
「どんなことに困っている人に」
「どんな世界を作ろうとしている人に」
という人(生き方)のイメージです。そちらが先に来て、そのあとに
税務の中の専門性も出していくのが良いのかなと。
あくまでも、個人的な海の探し方ですが。

最終的にたどりつくのは、自分の本心で、こういう人のために役に立ちたい、
と思える海のはずです。そこでないと泳ぎ続けられないと思います。
にぎわっている人気の海、安全と言われる海。
そうであっても、自分がそこで気持ちよく泳げるかは別。
あまり人気(ひとけ)がない海でも、自分の海だと思えて、そこに役に立てる
人がいたら、快適に泳げるはずです。

大海か小海か、はたまた海ではなく湖なのか。
井戸の外の自分の世界を見つけたい。

【編集後記】
本日は、決算の仕上げと株価計算の準備。
お昼には公園でお弁当を食べて、読書をしようと思ったのですが、
気付いたらしばらくぼーっとしていました。
昼寝をしないまでも、目を閉じて頭を数分休めるのはよいですね。

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