お餅つきは好きですか?私は好きです

餅つき 丸餅 お正月準備 生き方
石臼での餅つき。木臼より餅が冷めやすいので、手早くつく必要があります。

年末恒例行事の、餅つき大会をしました。
木の臼と石臼の2つを使い、半日かけて合計27臼(もち米の量で言うと、5斗2升6合)をつきました。
これで、お正月の主食は安泰です。

お正月どう過ごす?

お正月三が日は、主食はほぼお餅の生活です。
約60人分をまかなうため、5斗2升6合という量をつくわけです。
お正月は、基本的に掃除、洗濯はしません。調理も最低限。

新年に水を使うと、家に溜まった運気や福を流してしまうということで。
また、神様をお迎えしているので、火を使ったり刃物を使う調理はしないとも。

そんな風習に倣って、三が日休むべく、年末に餅をつき、おせちをたっぷり作っています。
もちろん、お正月遊びをたっぷり楽しむためでもあります。

昨今は、年始も元旦以外は休まない、あるいは元旦からやっているお店も多く、年末年始のしんとした非日常の静けさに包まれる街中、というのも少なくなっているかもしれません。
なにもわざわざ年末に忙しくせず、変わらず過ごしてもいいんじゃないかという人もいるかと思います。
お店が開いていたら便利と言えば便利だし、わざわざ年末だからと言って生活を変えず、日々淡々と、というのを好む人がいるのもわかる気がします。
東京に住んでいた時は、どちらかというとそういうタイプでした。

今は、私は師走の言葉通り年末にお正月準備でちょっと慌ただしく活気づいて、年が明けたら独特のしんとした空気の中過ごすのが良いなと感じます。

私のスタンダードは、角から丸へ

餅つきに話を戻します。お餅は昔ながらの方法でつきます。
せいろで蒸して、臼と杵で人力でつく。
(いや、正確に言うと、量が量なので、臼を2つと、餅つき機1台でしました)
丸めるのも、もちろん手作業。

私の出身は東京都なので、子供のころ食べていたお持ちは角餅(切り餅)でした。
ついた餅を均一の厚みに伸ばして、包丁でカットしていました。
岡山に移住してからは、餅と言えば丸餅です。
臼から上がった熱々の柔らかい餅を、はじからぎゅっと押し出してちぎり、丸め、ちぎっては、丸め……すべすべまん丸の餅が並ぶ様子はなんともかわいらしいもの。
いまでは、すっかり丸餅が自分のスタンダードになっています。
私のお餅の”故郷の味”は、子供の時の角餅ではなく、完全に今の丸餅です。

それから、丸餅と並んでの定番は、黒豆の入った豆餅。
もち米1升8合に対して2合のうるち米をまぜて蒸し、塩を入れて杵でこねてます。
そこに煮た黒豆を入れて、ナマコ型に成型して完成です。
食べるときは、これをスライスして焼きます(チーズをのせたり、しょうゆと典を乗せたりアレンジはいろいろ)。
丸餅のように、杵を振り下ろしてつかないのが特徴です。米の粒感も少し残ります。
つかないので、やわらか~く伸びるお餅ではなく、超ソフトタイプのおかきみたいな感じでしょうか。

餅つきいらぬ派から、餅つき大好き派に

子供のころは、親戚づきあいというものが本当に苦手でした。
一言で言って、馴染めない。
いとこたちの中に入れないしうまく遊べない、おじさん・おばさん、おじいちゃん、おばあちゃんにも緊張する。
両親の実家に帰ると、いつも(一刻も早く帰りたい……)とばかり思っていました。

年末は、いまと同じように親の実家でお餅つきをしていたわけですが、いい思い出というのはないです。
(これは自分の問題であって、餅つき自体は親戚一同で和やかに行われていました)
だから、正直に言って、20代までは、お正月のためにお餅をつくのも、年末年始の行事とやらも、いらないと思っていました。

それがいまは、餅つき楽しい!と180度変わっているので、人生というのは不思議ですね。

きんと冷えた空気と、せいろから出る甘いお米の香りがする蒸気。
「よいしょ、よいしょ」という威勢のいい掛け声。
杵が餅をつく心地よい音。
最後のつき上げのときの、つき手を返し手の息の合ったコンビネーション。
機械で大量につくわけではないので、本当に人力がなければできないこと。
地域の人もお餅つきをしますとお伝えするとぜひ参加したいといってきてくださり、私たちも嬉しくて助かったし、その方も楽しんでくださったのを感じました。
そして手がぷるぷると震えるくらい腕に餅つきの疲れを感じながら、つきたてのお餅を昼食にいただきました。すりごま、あんこ、大根おろしの3種で。
美味しい、そして餅つきは楽しい。

年を重ねたから好きなったのではなく、どこで、誰と生きるかが変わったから、何を好きと思うかが変わったのです。

価値観自体が変わることもあるし、価値観は変わらず環境によって好きなものや楽しめることが変わることもある。
いずれにしても、自分はこういう人間なのだと決めつけず、変わる自分を面白がれたらなと思います。

 

【編集後記】
冬の定番、大豊作の野菜はセロリです。
ハウスの中で元気に育っています。
スープ、サラダ、炒め物と、毎日食卓にて大活躍中。

セロリ

 

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