雨も降らず、池の水も少なくなってきていて、欲しい水がなかなかたまらない。
でも稲を見ていると、文句も言わずにじっと待っているのがえらいなと思う。
私だったら「水水水ー!」と叫んでいるところ。
稲の幼穂の発見と親心
稲の幼穂ができはじめている。
一緒に田んぼを管理している子が教えてくれた。
穂を割ってみると、中に幼穂ができているのが見えるらしい。
出穂は8月10日ごろの予想。
「家族が出産を間近に控えているような気持だね」なんて話している。
緊張感と楽しみな思い。確かに、なんだかソワソワする。
人間の赤ちゃんと違って、稲の「出産予定日」は比較的正確そうだけれど、それでもちゃんと無事に出穂するかなと心配になる。
この心配は親心?
稲を育てるにも、絶対に一人ではできないと思う。
そう考えると、人間の子供も、成長して自立するまで夫婦だけで育てるなんてとても無理で、血縁を超えた良いチームがいたら、安心して育てられるのではなんて思います。
水入れに難儀
それにしても、水をためるのに一苦労。
雨、降らないですね。池の水も目に見えて減っている。
この時期水切れはさせたくないのだが、7枚ある田んぼにいきわたらせるのに難儀している。
一緒に田んぼを管理しているメンバーは、平日は仕事に行っているのでなかなか日中の入水排水管理ができない。
平日は、朝に開けて、ちょろちょろ一日入れて夜(夕方)閉める、という流れでやっている。
「うまくためるには、長時間ちょろちょろではなく、一気に短時間で入れるのが良い」と教えてもらった。
でも、そのチャンスは限られている。
昨日の日曜日は、メンバーが夕方に草刈りをしている時間に一気に水を入れてくれた。
その1枚は今朝見回りに行っても抜けておらず、無事にたまっていた。
チームワークって本当に大事だなと思う瞬間。
他も順次きちんとたまるようにしていこうと話している。
稲穂の香り
他の農家さんの田んぼでは、すでに出穂しているところがある。
窓を開けて車を走らせると、稲穂の香ばしい香りがする。
これは私の好きな香りの一つ。
話は稲からそれるが、ゴーヤの葉っぱも香ばしくて大好き。
ゴーヤの畑にいると幸せを感じるほど、好き。私は香ばしい香りに惹かれるらしい。
こういう「好きな香り」って、誰にでもあると思う。人それぞれ違うから面白い。
時間の流れが見える場所
田んぼを見ていると、初夏から初秋が流れるように過ぎていく。
管理初心者だといつまでも言っていられないのだが、先輩メンバーに日々教えてもらうことばかり。
稲が成長し、水の管理も変化し、一年間食べる主食がきちんと取れるか否かを賭けながらの作業になる。
そうして毎日少しずつ変わっていく稲を見ていると、時間の流れが見える気がする。
田んぼや畑では一日一日の積み重ねを、自分がしている作業や、目の前の作物の姿そのものでわかりやすく実感できる。
仕事ではそれほど季節感や、一日、一週間の変化を目に見えて肌で感じて気づく瞬間は少ない。
もちろん、月々ある税務手続きや、月末の締め、月初の連絡報告、その時期にしかない業務で時間の流れや季節は感じるけれど。
できれば、仕事でも同じように、自分や周りの成長や変化を実感するタイミングを作っていきたい。
1年、食卓を支えるお米
いま食べている去年収穫した米も、残りが少なくなってきた。
こうしてお米を毎日毎食食べられることは、本当に当たり前ではないのだと、田んぼを担当して初めて実感している。
カメムシから守るために、草刈りもしっかりしていくことも今必要。
9月の稲刈りまで、一か月ちょっと。
まずは、無事に出穂ができるように、見ていこう。
毎日田んぼに通うための時間のやりくりは大変だけれど、成長を見守るのは楽しい。
酷暑で決して超快適とはいいがたい環境でも、もくもくと精一杯育っていく野菜や稲。
その姿を見ると、ときに励まされ、ときに自分が恥ずかしくなる。
そんな相手がいることは大切だなと感じている。
次回の田んぼ記事では、出穂の報告ができたらと思っています。