水を制するものは、田を制する

田植え 税理士 水の管理 農業
クボタの4条植えの田植え機で、田植えを進めています。

田植えが始まりました。
今年お米を育てる田んぼは、合計24枚。機械植えが23枚、手植えが1枚です。
なお、以前「23枚」と書いていたのは私の数え間違いでした。すみません。
農業において数を間違えるのは致命的です……。言い訳の余地なく謝罪する次第です。
初日の田植えは、担当する7枚のうちの3枚です。

21日間で逞しく育った苗たち

朝5時から苗のトレー運び開始。
グラウンド一面に広がったトレーの軍団から、反当たり18~19トレーを田んぼへ運びます。

しっかり張った苗の根を、べりべりとはがします。
播種の時は覆土の厚さを繊細に調整し、種籾が動かないように、そっと運んでいました。
あの種籾が、21日経ちもうたくましく育ちました。
手荒に(?)べりべりとはがすように扱っても大丈夫。
「よくぞここまで育ってくれた」と感慨にふけりつつ、水をさっとやり、薬(殺虫殺菌剤)をまいて、軽トラに積み込みます。

田が大海原になってしまった失敗

ここからが本題。
田んぼの水を朝から落として田植えに備えるのですが、これが難しかったです。
水量が多すぎると田植えがうまくいきません。
田植え機のマーカーのラインが泥の上にきちんと見えて、かつ植えた苗が浮かないように、「ひたひた」の浅水にする必要があります。料理でいう「ひたひた」と同じです。

2枚は良い量に調整ができました。ところが。
1枚の田んぼに高低差があったせいで、真ん中あたりが深水、大海になってしまいました。
田植え機で水の深い箇所に向かっていく後ろ姿に手を振ると、大海原に出航する船を見送るような気分でした。
運転する人は、マーカーではなく、心の目でラインを見てくれて、なんとかまっすぐ植わるようにしてくれました……申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

実は10年以上前、自分もトラクターで代掻きをしていた時にも似たような経験をしました。
深すぎる水の中でトラクターを運転していたら、波に揺られているようで方向感覚が狂っていきました。
土のラインも見えない。田んぼの水が波打ち、左右前後に揺れる。
まっすぐ進んでいるのかもわからない。
本当に船酔いのような感覚になりました。

チームメンバーと「次回は絶対にベストなひたひたにしよう」と固く誓いました。

初日の成果

反省点はあったものの、朝10時開始で午後2時過ぎには3枚完了。
(機械はクボタの4条植えで、この日の田んぼの広さはコンパクトで1反7畝~2反5畝でした)

田植えには良すぎるくらいの晴天で、太陽光が水面で反射してまぶしく、よく焼ける天気でした。
私は裸足で田んぼに入ってタイヤ痕を鋤簾でならしていたのですが、日焼け止めを塗り忘れてふくらはぎが真っ赤に。
でも不思議なもので、田んぼの泥って本当に気持ちいいんです。
泥の滑らかで思い感触。独特の匂い。
田んぼでの作業が終わると、プール帰りの子供のようにぐったり。
そのぐったり感がまた心地よいのです。

田植えはまだ始まったばかりです。とにかく水を制すること、これに尽きます。
ちなみに苗を植えた後は、活着を促すために水深3~5センチにします。
そのあとは、分げつ期、中干し期、出穂期……と成長過程で水の量を変えていきます。
つまり、水を抜いたり入れたりの繰り返し。
防除や追肥、雑穀取り、畦の草刈りも。
9月の稲刈りまで、田んぼの管理は続きます。

【編集後記】
教訓:田んぼの水加減は、料理の塩加減より難しい
でも、泥んこになって働いた後の爽快感と、夜の深い眠りは最高です。
泥と戯れ、泥のように眠る、そんな日でした。

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