独立現在地(しなやかにぶれながら進む)

独立 軸 営業 断られる 仕事と私
自分が望むものはどれか……いずれも魅力的だと悩みます。

独立して仕事をしていると、自分の新たな一面を知ったり、鍛えられたり、
予想外の方向に行くことがよくあります。
鍛えられたことといえば、「断られる」耐性がついたこと(「断る」方はまだまだ)。
予想外と言えば、自分の打ち立てた軸って本当の軸じゃなかったなと気づいたこと。

断られてもダメージは少なかった

勤務税理士のときは、私はそもそも営業をしたことがありませんでした。
独立したらどうしたって営業は必要になります。
「Noと言えない、かつNoと言われるとへこむ」
という、営業マンとしてはどう考えても向かない性格。
独立前は、これでやっていけるのか…と思いました。

しかし営業を始めてみると、
意外にも断られても精神的なダメージはほとんどないです。
自分でも驚きなのですが、たぶんそれは
「打率10割なんてありえない」
「税理士のついていない会社の方が少ないだろうから、そうそう簡単に決まるわけない」
という、冷静な心構えがあったからだと思います。
”ダメ元”がうまくいかないことの言い訳になってはだめなのですが、
いずれにしても、そもそも選択肢に入ることが難しくて当然。
仕事が軌道に乗るのも3~5年スパンで考えています。
人間って予想や期待と現実のギャップにダメージを受けるので、
断られることはたくさんあるだとうという予測が立っていたので
心は無事だったということでしょうか。
ノーダメージとまではさすがに言えませんが、成果が出ないことに直面しても、
ショックを受けるよりも、考えることがたくさんあります。

自分の出してみたサービスが世の中にどれくらい求められているのか。
求められていないなら、どういうサービスを作っていけば喜ばれるのか。
自分が鍛えるべき分野は?
それを断られたり反応がないという経験を積みながら、研究している日々です。

問題は「断る」方だった件

断られることには慣れてきた私ですが、実はもっと難しいと感じているのが、
「適切にお断りする」こと。
独立したばかりは、できるだけ広く門戸を開いておきたいもの。
独立前から特化した分野を高いレベルで確立している場合は別ですが、
最初からお客様を限定的にして、狭い範囲で勝負するのは自分には難しいなと思います。
でも、一人で仕事をしている以上、使える時間には限りがあります。
誰かに頼んだり、分業したりもできません。
だから、「来るもの拒まず、すべてウェルカム!」としていたらあっという間に
キャパオーバーになります。
狭すぎず広すぎず、自分の仕事をどこで線引きをするか…
この塩梅が、なんとも難しいのです。

開業当初、自分の方向性について、信頼している人に相談する機会がありました。
そこで返ってきた言葉が「それは難しいと思う」。
その方のアドバイスが、自分のスタンスを決めるきっかけになりました。
そのスタンスとは…

① 自分にできること(経験があり慣れている、知っている分野)を土台にする
② いきなり”温めていた夢”に挑戦はしない
③ 良い意味で受け身でいる

つまり、
「未経験だけど、やりたいこと」は、いきなり表には出さない。
「経験があって、やれる、やりたいこと」をまずやってみる。
「経験はあるけど、やりたくないな」と思うことも、本当に嫌なのか、
やり方次第で好きになるか、考えてみる余地はある。

お断りするにしても、がちがちに守備範囲を決めてしまわないようにしています。
独立したからといって、能力や経験値ががらっと変わるわけではありません。
やれることを地道にやっていく中で、独立という働き方だからこそ見つけられる面白さがあったり、最初は避けたいと思っていたことでも、違う角度から見たら好きになったりする可能性がある。
だから、変に凝り固まらず、ふわっとした枠で受け身でいるくらいが、自分の方向性を作る上では良いのかも、と考えが変わりました。
東西南北、ざっくりとこちらの方向に進むというイメージは持って行きます。
(ある日突然、真反対に進みますと宣言することも、100%ないとは言えないですが……)

「軸」は、今日もどこかでブレている

独立する前は、「自分の軸を確立して、ぶれずに仕事をしていくんだ!」と、
気合が入っていました。
軸を持つのは大事、それは本当のことです。
私も自分なりに「これだ!」という軸を打ち立ててみました。…が、すぐに気づきました。
自分の心になんとなく馴染まないなと。借り物感がぬぐえないというか。
それは本気の、自分の内側から湧き出る軸ではなかったからです。

軸を決めなくちゃというのが先に来て、独立した何人もの人の軸をそのまま取り入れちゃったという、恥ずかしい話です。
軸のための軸でしかなかったです。

絶対にここは譲れないと本気で思うものは、もちろんあります。
そのうえで、誰かが語っていた借り物の話ではなく、自分の生き方にフィットする、自分の心に無理がない軸を作ることが必要です。

我ながら軸がブレブレだなと思うことも、正直よくあります。
でも今はそれでいいのかなと。
「ぶれながら、ぶれない軸を作っていこう」という、矛盾した決意を固めているところです。

独立の道の現在地は以上です。
今日も、ぶれながら打たれ強く、しなやかに進んでいきます!

【編集後記】
田んぼの代掻きが進んでいます。
水を入れるタイミングと量が難しいです。
曜日で担当を決めて、朝は5時半に見回りにいっています。
貯水池からの水の量を見に行き、
土嚢や板で水路のマスや入水口から入る水量を調整。
モグラの穴などでもれていないかチェック。もれていたらふさぐ。
同じ地域の田んぼの方と水をわけあっているので、
自分たち以外の田んぼがいつ代掻きで、いつ田植えかというのも大きく関わります。
ときには、こちらの事情を知って地域の方が水を調整してくれることも。
ありがたいです。田んぼは地域ぐるみの共同作業なのだと思いました。
ちなみに今年は、すべての田んぼを3回代掻きをする予定です。

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