セロリ栽培のフィナーレ、株の粉砕

仕事の現場 粉砕機 セロリ 実務 仕事と私
順調に動く粉砕機。セロリシャワーがハウスの中に。

セロリの季節が終わり、株を撤去して粉砕をしました。
冬から初夏にかけて長く美味しくいただけたセロリのフィナーレ。
仕事の頭から尻尾を現場で知るというお話です。

セロリ栽培は粉砕まで

今年のセロリは、冬から育てて5月半ばまで約半年間、たっぷりと収穫を楽しむことができました。
例年より長く収穫できて嬉しかったです。
セロリは、主茎はもちろんのこと、脇芽が使いやすくて美味しいです。
脇芽は主茎を育てるために摘むものですが、細くて筋もなく柔らかいので、
そのままサラダにしたり、色々な野菜と組み合わせて使えて便利でした。

さて、このセロリ栽培。美味しい時期に収穫して「はい、おしまい!」ではありません。
セロリ栽培は「粉砕」までが栽培。

食卓を役目を終えた後、畑に残るのは、根っこごとついたセロリの「株」です。
次の野菜を植えるためには、この立派な株を撤去して土を整える必要があります。
さすが半年美味しさを提供してくれたセロリだけあって、株は私の背丈近くまで高さがああります。
茎も繊維質でかなりしっかりしています。なかなか手ごわい。

そこで登場するのが、栽培の最終段階である「粉砕」作業です。
株を細かく砕いて、土に漉き込むなりして処理するわけです。

初体験、セロリシャワー

先日、そのセロリの株の粉砕作業を行いました。使うのは「粉砕機」です。

この作業、昨年と今年でやり方を変えてみました。
昨年は、株を少し乾燥させてから粉砕機にかけるとスムーズだろう、と考えました。
ところが、これが予想と異なり、茎がしなしなになってしまい粉砕機が詰まってしまうということになりました。

そこで今年は、作戦を変更。
刈払機でどんどんセロリの株を刈っていき、刈ったそばからすぐに粉砕機にかけていく。
という流れでやってみました。結果は大成功!
全く詰まることなく、本当に気持ちよく粉砕作業が進みました。

夢中で作業していたら、刈っていた時の立ち位置が悪かったのか、粉砕機から勢いよく出てくるセロリの細かな粒粒「セロリシャワー」を勢いよく浴びてしまうというハプニングも。
これもまた現場ならではの得難い?体験でした。
その日一日、自分はセロリの爽やかな香りを放っていました。

こうしたことって、実際にやってみないとわからないことだな、思いました。
もちろん、畑の手入れの知識は本を読んだり調べたりすれば得られます。
でも、「セロリの株はこういう状態だと詰まりやすい」「この機械にはこのやり方が合う」といった具体的な「答え」は、自分で手と体を動かして初めて知るものです。
収穫後の撤去方法が違うというのも、同じ粉砕でも乾かした方が良い野菜とそうでない野菜があるということも、やってみて分かることでした。

現場で知る『仕事の頭から尻尾まで』

この現場でしかわからないことという気づきは、セロリ栽培に限った話ではありません。
どんな仕事でも、一つの仕事の始まりから終わりまで、いわば『頭から尻尾まで』を本当に理解するのは、実際にその現場に立って実務を経験してこそだと強く感じています。

税理士事務所に就職した時もそうでした。
簿記を学び、税理士試験を経て、いざ実務。
会計ソフトへの日々の記帳作業も、決算も、申告書作りも、すぐに手を動かして入力したり計算に入れるわけではありません。
最初に私が大変だと感じたのは、その入力する前段でした。
それは、お客様から必要な資料を「きちんと集める」ということ。

これが、想像以上に難しかったです。
お客様に足りない資料を何度もお願いしたり、自分の段取りが悪くて二度手間になったり。
たった一つの資料が揃わないばかりに決算がぎりぎりになってしまったり…。
仕事に簿記や税務の知識はもちろん必要ですが、それ以上に、資料を確実に入手するための「段取り力」や、お客様への「働きかけ方」が、実はものすごく重要なんだな、と痛感しました。
そして、決算が終わってからの結果のご説明、来期の打ち合わせ、資料のお渡し、請求、代金回収…。これらの一連の流れ全てが、税理士業務の「尻尾」の部分であり、机上の勉強だけでは見えにくい、でも非常に大事な実務でした。
この中の請求や代金回収は、勤務時代は担当の事務員さんがしてくれていたので、独立して初めて自分の仕事として行ったことです。

机の上で勉強していた知識は、仕事全体のほんの一部分でしかない。
頭ではわかっていたことだけれど、現場に出て、お客様とやり取りし、実際に手を動かして初めて体感として自分の中に落ちました。

さらに、やり方が一つとは限りません。
相手のお客様によって対応を変える必要があったり、去年上手くいったやり方が今年は通用しなかったり、なんてことも。
そんな時、私はどうしていいか分からずあたふたしたり、つい自分のやり方に固執してしまいがちです。
そうならないために必要なのは、臨機応変な対応力や応用力はもちろんのこと、何よりも、そういう状況や場に「慣れる」ことだと感じます。
現場でしか知れないことがある。現場で答えが変わることがある。
色々な現場で、そういう生きた体験することで、「そういうもんだ」と思えるのかなと。
変に慌てたり悩んだりせず済むようになり、肝が据わるようになるのもしれません。

まだセロリの株が残るハウスが2棟あります。
次の仕事のお休みの日に、また粉砕作業を進める予定です。
機械を詰まらせずに、怪我をせず、セロリに感謝の気持ちを持って、しっかりと粉砕を終わらせたいです。

【編集後記】
来月のイベントに向けて、タヒチアンフラダンスを練習中。
人生の苦手事項TOP5に入るであろう、ダンス。
まず、振付を覚えられない。
やっと覚えても、それはダンスではなく体操になってしまう。
振付を教えてくれる子の滑らかで情緒あふれる動きに見とれつつ、
なんとか踊りに近づきたいと精進中。
まずは、覚えなくては。とても魅力的な振りなので。

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