田んぼとオオキンケイギクを見て思う

田んぼと優に 価値観の変化 人生の転換点 岡山に住む 生き方
田んぼと夕日。

田植えシーズンです。
5月初旬に播種をして、現在は代掻き真っただ中。
5月は私にとって特別な月です。
今回は超がつくほど個人的なお話になります。

田んぼとオオキンケイギク

私にとって、5月は特別な月。
生まれ育った東京から岡山に越してきた月だからです。

岡山に越すまで、私は人生において引っ越しをしたことがありませんでした。
(厳密にいうと、実家を改築したときに仮住まいに越したことありますが、
実家から徒歩3分の場所でしたので、引っ越しとはカウントできない)

大人になって初めて体験する引っ越し。
しかも、初めての中国地方、初めての岡山県。
越してきた当初はそんなに長く住むつもりもなく、旅行のような感覚でした。
旅行のような感覚だけれど、旅行ではなく今日からここに住むという現実。
どこか他人事のような、あるいは夢でも見ているような、不思議な感覚でした。

岡山に越してきた時のことを思い出すとき、
その現実感のない感覚と、景色がよみがえります。
水を張った田んぼと、道端に咲く濃い黄色のオオキンケイギク。
私はその景色を見ながら車に乗って新しい住まいに向かいました。

田んぼとオオキンケイギクは、
私にとって自分の人生の大きな転換点の象徴と言えます。
振り返ってみれば、ですが。
普段は転換点を意識することはほとんどないのですが、
この季節になると、景色が自分の転機を思い出させてくれます。

岡山のこと、お米や野菜のこと

岡山県というと”晴れの国岡山”という表現があります。
私は勝手に温暖な地域と思っていましたが、県南と県北ではまったく気候が
違うことを住むようになって初めて知りました。

私が住むのは、県北。
東京より、冬は寒い(気温がマイナスになって、外の水道管が凍るのは日常)。
雪も結構降るし、積もる(岡山に来て初めて本物のカマクラを作った)。
昔はもっと雪が降ったということも聞きます。

食べ物でいうと、
桃が美味しい(これは思っていたとおり)。
黒豆も美味しい(作州黒という大粒の黒豆が絶品)。

それから、こちらにきてお米が本当に美味しいと感じました。
これは岡山県ならではというより、自分たちで育てたお米だから。
稲刈りをした後、脱穀をして玄米の状態で保存しておき、
必要な量を精米していただきます。
それはもう、ぴかぴか、甘くて、美味しい。
夏ごろになると前の年のお米の味が落ちると言いますが、
いま私が食べているお米は、夏でも美味しいです。

野菜でいうと、レタスに対する価値観の大変革がありました。
岡山で農業をするまで、レタスは好きでも嫌いでもなく、サラダには使うけれど、
今日はぜひともレタスを食べたい!と「ご指名」する野菜ではなかったです。

ところが。朝どれの新鮮なレタス、美味しすぎる、と感動しました。
私の野菜ランキングの圏外から一気にトップ5入りするほどレタスを好きになりました。
食べ方は本当にシンプルで、
洗って水気をしっかりと切って、好きなドレッシングをかける。
トッピングに、砕いたピーナツや、カリカリベーコンをのせたりしても美味しい。

どんぶりにいっぱいのレタスサラダ。
初夏には毎日・毎食食べるほど、レタスは主役級の存在です。

他にも、食に関する人生観が変わるものは色々とありました。

小さな人生観の集積が、新しい私になっている

お米と野菜のことを熱く語りましたが、
岡山県という新しい土地で新しい生活をはじめたことで、
私の人生は新しい展開へと進みました。

生きている中で、いまの自分を変えたい、と考えることがあります。
としても、じゃあなにからすればいいのだ、とも思ってしまいます。

私は頑固でこだわりが強い方なので、
変わりたいけれど価値観を変えたくない(今までの自分を手放したくない)、
と矛盾する思いでいました。

しかし、結果的に、東京から岡山に来て大きく変わっています。
それは、新しい地での新しい人間関係(岡山に来て出会った人)の影響が
一番大きいのですが、それに加えて、毎日の生活の中にある小さな変化の
力も大きいのではないかと思います。

ここまで書いた、食べ物への価値観の変化もそのひとつです。
早寝早起きもそう。1日3食、きちんと食べるようになったこともそう。

日常の小さな価値観の変化が、
何を大事に思うのか、何にこだわらないのか、
人生における優先順位が変わることにつながっていると思います。

いまでは、「今の私」が「当たり前の私」になっていますが、
細かく検証していけば、何年もかけてだいぶ遠くの場所に立っている
のだろうなと思います。

これからも「思えば遠くへきたもんだ」をいい意味で言える未来になるように、
小さな変化を楽しんでいきたいです。

【編集後記】
5月申告も佳境。
今日はある法人のお客様に向けて、新しく分析資料を作成。
何が必要とされているのか考えながら作るのは楽しいです。

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